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(概訳)第三世代半導体の商機 台湾企業の誰が勝算あるのか?

原典:今週刊 2021.10.10 

   搶第三代半導體商機 台廠誰穩操勝算?

https://ctee.com.tw/news/tech/529801.html


第三世代半導体が話題になり、TSMC(台積電)、SAS(中美晶)等の大手企業だけでなく、鴻海も6インチファブを購入し、競争が激化している。どの企業が競争を勝ち抜くのか注目である。


第三世代半導体が話題になり、TSMC(台積電)、SAS(中美晶)等の大手企業だけでなく、 鴻海も6インチファブを購入し、競争が激化している。どの企業が競争を勝ち抜くのか注目である。


第三世代半導体の窒化ガリウム(GaN)およびSiC(SiC)は、高耐温、高耐圧、高周波特性で、TESLA(特斯拉)やAppleなど指標となる顧客が導入を始めている。現在は浸透率は低いが、多くの台湾企業サプライチェーンが注目しており、株式市場では第3世代半導体ブームが起きている。


第3世代半導体は、従来から存在する技術であり、その技術に関わる企業の株価は急騰している。ある業界のベテランは「以前は市場が悪かったので、第三世代半導体に関わる人達は転職し仕事を離れたが、最近は逆流し始めた」と感慨深く述べた。


第三世代半導体の商機は、各企業の力の入れ具合からも分かる。GaNは、低消費電力と小型化を実現する為、Dell や Xiaomi 等が高速充電アダプタに採用しており、Apple も導入予定といわれている。充電器に加えて、GaN-on-SiCは、基地局や衛星通信などのハイエンドアプリケーションにも使われる。レーダーシステム会社のTron Future Tech(創未來科技)の王毓駒董事長は、高出力、低電力消費で、将来のレーダーにGaNウエハの採用計画があると述べている。


SiCは、Teslaが電気自動車Model3のインバータ(逆變器)にSiC部品を採用以後、1つのSiC部品が、4-5個のSi部品に相当し、従来のIGBTモジュールを代替できると考えられている。 電気自動車以外にも、太陽光や風力など高圧送電分野でもSiC採用が予想される。産業アナリストの鄭凱安は 「2025年迄に、SiCパワー半導体の世界生産額は少なくとも20億ドルに達する予想」と述べている。


現在、第3世代半導体は欧米のIDM(垂直統合型デバイスメーカー)により独占されているが、各分野の専門企業は、第3世代半導体を、EV、軍事・宇宙産業、データセンタ、基地局など新用途に投入見込みで、台湾企業もその供給の一翼を担う事を期待されている。


鴻海研究院半導体研究所の郭浩中所長は、「台湾は化合物半導体で非常に強い。部品・材料は米国が強いが、製造面ではTSMCやWINSEMI(穩懋)、パッケージではASE(日月光)があり、台湾にもチャンスがある」と分析している。


図:GaN、SiCの2020年応用シェア


ハイテク企業は旗幟鮮明、TSMCは顧客と提携、WIN(穩懋)は工場拡張


これまでシリコン市場を席巻してきたTSMC台積電、ASE日月光、GlobalWafers環球晶に加え、第2世代半導体のGaAsの老舗、Winsemi穩懋、AWSC宏捷科、VPEC全新なども第3世代半導体での強力な地位を目指している。 また、パワー半導体のサプライヤであるPanjit強茂、Episil漢磊、VIS世界先進、LEDや太陽光を手掛ける、Ennostar富采、Tainergy太極、Winsheng穩晟なども第三世代半導体を手掛けている。


Episil漢磊で6年間前総経理の任にあった莊淵棋は、あるフォーラムで、TSMCとUMC聯電がGaNファウンドリ技術に投資する鍵は「シリコンファウンドリの使用設備の9割以上がGaN用に転換可能な中、GaNを8インチファブに移す機会であり(現在は殆ど4インチと6インチファブ)、あとは専用設備を購入するだけで、GaNファブに移行できる」と分析した。


しかし、莊淵棋はまた、化合物半導体とシリコン半導体は大きく異なり「メーカーの学習曲線は長くなり、どのように改善を行うか方法もわからない」とも認めた。 台湾企業にとり、学界へのアクセスは最速の道と考えている。


GaN研究で10年以上の経験を持つ陽明交通大学終身教授張翼は、数年前に、TSMCは張翼の研究室にGaNファウンドリ技術を学ぶ為に人材を1~2年派遣した事を明らかにした。 TSMCは、すでにNavitas社やSTMicroelectronics(意法半導體)などからGaNファウンドリの受注を獲得しており、台湾では有数のGaNファウンドリになっている。


UMC聯電は、GaN分野開拓の為に、最近、充電用途の開発を発表し、パッケージ企業のChipbond頎邦(6147)に投資、また長庚大学の邱顯欽教授を招き、SiC基板上RF用GaN技術の開発を進めている。邱顯欽は「UMC聯電は、多くのRF-SOI顧客を抱えており、加えて(子会社の)Wavetek聯穎はUMCの6インチファブ活用で、早ければ来年以降には結果が出せる」と述べた。


化合物半導体業界20年のWINSEMI穩懋は、南科の新工場で将来の商機を狙う。 WINSEMI穩懋は、高周波、通信用途に特化し、現在のGaAsファウンダリ市場で80%のシェアを占め、IDMから継続的注文の恩恵を受けている。HSBC(匯豐)証券の推計では、過去5年間のWINSEMI穩懋の年平均成長率は20%に達しており、第三世代半導体も(GaAsと同じ)ファウンドリモデルに移行するかどうか注目している。 WINSEMI穩懋の代理發言人吳俐蓁は、WINSEMI穩懋のGaN売上構成比は一桁だが、今後も成長は持続し「当社GaN製品は、高出力、高周波の基地局や衛星通信用に使われている」と述べた。


しかし、ファウンドリに比べて、Hermes-Epitek漢民、SAS中美晶集團に代表されるように、現状の欠点を補うために<垂直提携モデル>にしたいと考えている台湾企業も少なくない。 ある業界幹部は「現在、IDMは単独で市場を獲得する方法を模索し、様々な戦略が出てきている。台湾企業は団結しないと出血を抑える事ができない」と述べる。


Hermes-Epitek漢民集団は、長年、第3世代半導体に投資し、現在、独自の基板技術を持ち、傘下にはウエハ企業EPi嘉晶(3016)、ファウンダリEpisil漢磊があり、またHermes-Epitek漢民集団の創設者黃民奇は、GaNデザインハウスのEPC宜普の共同創設者でもある。Episil漢磊は、アジアで唯一の第三世代半導体量産規模のファウンダリと主張しており、今年の上半期には2年間の赤字を解消し、業界ではかなり注目されているSiCのベンチマーク的企業である。


徐秀蘭が率いるSAS中美晶集團では、そのリーダー企業のGlobalWafers環球晶が、米国のSiCメーカーGTAT社と長期契約を締結し、また、資本提携により、基板とエピタキシャル、GaAsファウンダリAWSC宏捷科、車載用ダイオードモジュールのオペレーションを組合せたビジネスモデルを完成させた。しかし、化合物半導体アナリストの中には、SAS中美晶集團の強みは材料やファウンダリであり、今後、設計やモジュールで優位に立てるかどうかは未知数と指摘する人もいる。


最後に、LED大企業のEnnostar富采集團については、同社を知る業界関係者によると、パッケージを外注以外は、ほぼ集団内で完結できるだろうという。富采とGaAsファンダリのGCS環宇の合弁会社のGaNファウンダリUnikorn晶成半導體は、エピからファウンダリまでのワンストップソリューションを顧客に提供することができるようになった。設計面では、関係企業のHexawave漢威光電とGaNrich Semiconductor嘉和半導體が手分けしている。


しかし、台湾企業は、一見勢いがあるように見えるが、実際に成果を上げている企業は一握りである。


表:第三世代上工程、下工程のサプライチェーン紹介

表:第一世代から第三世代半導体の紹介


難題1: IDMが主流で、高コスト、ハイエンド市場

重要な点の1つは、IDMが第3世代半導体市場の大部分を占めており、充電用GaNで多くのIC設計会社が現れ、台湾のエピメーカーやファウンダリが一定の地位を占めた以外では、GaN-on-SiCやSiCデバイスでは、未だ明瞭なファウンダリ受注はない。


これまでのところ、第三世代半導体価格は依然高く、市場が制限されている。 王毓駒は、同じチップ面積のGaNは、シリコンプロセスの100倍以上のコストがかかり、「我々は皆、高価格製品ばかりを使わされている」と述べた。 あるアナリストは、現在のパワーデバイス株は「実際のところ期待で株価上昇しているだけで、第三世代半導体の売上はまだ低い」と注意する。


難題2: 価格競争力の差 日本と米国から上工程材料を購入する必要がある

第二に、上工程基板やエピは、日本と米国メーカーの手に委ねられており、大きな懸念である。ある事業者は、IDMが低価格で上流材料を得ることができる場合、垂直分業モードが得意な台湾企業にとり、短期では良い購入価格を得ることができず、上流コストが大きい場合、価格競争力差は顕著になるのではと心配している。


難題3:下工程への進出の困難 製品は開発したが採用されない

第三に、下工程の顧客の採用意欲には、ブレークスルーがまだ必要である。 台湾は、地場の自動車、通信機器等のブランドサプライチェーンを欠いており、海外の閉鎖されたサプライチェーンに入るのが難しい。あるパワーデバイス事業者は、同社は製品をすでに開発したが、これまでのところ、外国企業の採用意欲はないと個人的に述べた。


ある台湾の業界関係者も、台湾の化合物半導体企業は規模が小さい、と認めた。ファウンダリは顧客にまず大量発注をしてもらいたいが、一方、IC設計会社も工程の進歩があってから発注したいので、結局行き詰まっている。


台湾の慎重な姿勢とは対照的に、半導体産業で成果を上げたい中国は、積極的に市場に投資している。 調査会社TrendForceによると、昨年、中国の第三世代半導体の投資・増産プロジェクト(LEDを除く)は約25件、投資額は700億元以上で、年率180%の増加となっており、その将来は各国の関心事になっている。


しかし、業界は、中国へのウエハ禁輸政策が変わらず、また技術レベルも限られているため、短期では中国は「デモとして1、2枚は作れるかもしれないが、量産や良率を上げることはできない」と予測している。 しかし、中国が独自の半導体産業を発展させようとしていることを無視することはできないし、それが台湾企業に対する排除効果があるかも不明である。


しかし、長期的には、GlobalWafers環球晶の徐秀蘭董事長が言うように「第三世代半導体は重要かつ難しいものだが、台湾にとり見逃せない市場である。」 過去、台湾でGaAsブームが起こり、激烈な競争の後に、WINSEMI穩懋が、世界有数の化合物半導体のファウンダリに成長した。今日再び、第3世代の半導体は風雲を増し、最終的にどれだけの台湾企業が勝ち残るかはわからないが注目する価値はある。


以上

(概訳:OH)


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