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【企業】ASEは、FOPLPに2億米ドルを投資。年末試作開始、来年にサンプル出荷(2/18)

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  • 2月18日
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日月光宣布斥資2億美元攻面板級扇出型封裝 年底試產明年送樣(2/18, 經濟月報)概訳

 

日月光ASEグループの最高執行責任者(COO)である呉田玉は、本日(18日)、同グループが10年にわたり取り組んできたパネルレベルのファンアウト型パッケージング(FOPLP)において、量産ラインの設立という重要なマイルストーンに到達したと発表した。これに伴い、2億米ドル(約新台湾ドル64億元)を投じて高雄に量産ラインを設立することを決定し、第2四半期および第3四半期に設備を導入し、年末には試作を開始する計画である。試作が順調に進めば、来年には顧客向けの認証プロセスに入る予定である。市場関係者は、これがTSMC台積電が次世代の先進パッケージング技術における主流規格を確立するための重要な一歩になると予測している。

 

これは、2016年に力成PTIがFOPLPに参入したのに続く動きであり、AIチップの需要増加に対応するため、世界最大の半導体パッケージング・テスト(封測)企業である日月光が先端パッケージングの生産能力を強化する重要な戦略の一環である。台湾の主要な半導体ファウンドリであるTSMCの董事長である魏哲家も、TSMCがFOPLPの研究開発に向けて専門チームを設立し、すでに良好な成果を得ていることを明かした。ただし、技術の成熟にはまだ時間がかかると述べている

 

半導体業界関係者によれば、FOPLPはTSMCのCoWoS(Chip-on-Wafer-on-Substrate)に代わる技術として、将来的にAIチップのパッケージングにおける新たな主流となる可能性がある。その理由は、従来の円形基板ではチップのサイズが大きくなるにつれて切り出しの効率が低下するためである。この問題を解決するために、「方形(スクエア)」の基板を使用するICパッケージング技術が採用された。これにより、方形基板では円形基板と比較して、数倍のチップをパッケージングできるようになり、より高い利用効率を実現することが可能となる。

 

呉田玉は、AIチップは非常に高価であり、1つの基板上に多くのチップを搭載するほどリスクが高まると指摘した。もし顧客の強力な支援がなければ、日月光が量産ラインの設立に踏み切ることはなかったと述べた。同社は10年前から大判サイズのFOPLP技術の研究開発に取り組み、300×300mmの方形基板規格を採用し、試作で良好な成果を得た後、600×600mmの方形規格に進化させた。そして昨年、設備の発注を開始し、関連する生産設備は今年第2四半期および第3四半期に導入予定である。今年末には試作を行い、試作が順調に進めば、来年には顧客の認証を経て量産・出荷が可能となる見込みである。

 

また、呉田玉は、600×600mmの良品率が想定通りに向上すれば、より多くの顧客や製品がFOPLP技術を採用し、最終的には600×600mmがFOPLPの主流規格となる可能性が高いとの見解を示した

 

日月光のFOPLP量産設備には国内外の設備メーカーが関与しているが、呉田玉は商業機密を理由に具体的な供給企業名は明かさなかった。

 

また、力成(PTI)、日月光、および最近FOPLP市場への参入を表明した群創Innolux友達AUOなどの企業の動向から、AI市場がクラウドからエッジへと拡大し、後工程のパッケージング市場にも大きな商機がもたらされることが示唆されている。

 

では、どのような製品がFOPLPを採用するのか。世界的な市場調査機関である集邦(TrendForce)の調査によれば、FOPLPの先端パッケージング技術が採用される製品は、主に以下の3つに分類される。

 

1. 電源管理IC(PMIC)および高周波IC(RF IC)2. CPUおよびGPU3. AI GPU

 

このうち、PMICおよびRF ICは「chip-first」技術を採用しており、もともとは後工程のパッケージング企業が中心となっていた。しかし、製造プロセスのライセンスを取得する企業が増加するにつれ、IDM(垂直統合型デバイスメーカー)やディスプレイパネルメーカーも市場に参入し、量産規模が拡大した。一方、CPUやGPU、AI GPUは「chip-last」技術を採用しており、すでに生産経験と生産能力を持つパッケージング企業が開発を主導している。これらの製品の量産開始は、最も早くて2026年と予測されている。また、AI GPUに関しては、「chip-last」技術を採用し、半導体ファウンドリ企業が主導している。チップサイズの大型化と封止チップ数の増加に伴い、従来のCoWoSパッケージングをウェーハレベルからパネルレベルへと拡張する動きがあり、量産開始は2027年が最も早い時期と見られている。現在、日月光の動きを見る限り、関連技術の開発と市場投入のペースは加速している。

 

呉田玉は、先日開催された日月光の2023年第4四半期決算説明会において、今年第1四半期の業績について言及した。同氏は、AIチップ向けの先端パッケージングの需要が引き続き強いことにより、封止事業の売上は前期比で若干減少したものの、グループ全体の売上減少は10%未満にとどまり、前年同期比では10%程度の増加となり、過去の業績と比較して良好な結果であったことを明らかにした。また、同社は2024年の先端パッケージング事業の売上が、前年よりも10億米ドル(約新台湾ドル310億元)増加する可能性が高いと見込んでおり、これが同社の年間売上および利益成長の原動力になると予測している。

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