top of page

【市場】DeepSeekの衝撃、TSMCに短期的な逆風も長期的には成長を促進、アナリスト「低コストが広範な普及と長期需要を推進」(1/29)

  • Guest
  • 1月29日
  • 読了時間: 4分

DeepSeek 震撼 台積短空長多 分析師:低成本推動廣泛採用與長期需求(1/29、經濟日報)概訳

 

中国AI新興企業DeepSeekの台頭が世界のテクノロジー業界を揺るがす 台積電には短期的逆風も長期的には好影響の可能性

中国のAI新興企業であるDeepSeekの台頭が世界のテクノロジー業界に衝撃を与え、AI産業の進行ペースを大きく揺るがしている。アナリストの見解によると、この展開は台積電TSMCにとって短期的にはマイナス要因であるが、長期的には成長の追い風となる可能性がある。短期的には、CoWoS(Chip-on-Wafer-on-Substrate)先進パッケージングの受注に影響を与えるが、低コストAIモデルの普及がAIの広範な採用と長期的な需要拡大を促進するため、最終的には業績にプラスとなる見込みである。また、この成長は**AMD(超微)やQualcomm(高通)**などの企業にも恩恵をもたらす可能性がある。

 

短期的にはAI開発企業のチップ移行を遅らせ、TSMCのCoWoS受注に影響か

ブルームバーグのアナリストによると、短期的にはDeepSeekのAIモデルがコスト削減を重視する戦略を採用したことにより、規模の小さいAI開発企業がAIチップのアップグレードを遅らせる可能性がある。この影響で、企業がNVIDIA(輝達)のHopperチップからBlackwell、さらには今後登場予定のRubinプラットフォームへの移行が遅れる可能性がある。その結果、TSMCがNVIDIAの高性能AIチップを生産するために用いるCoWoSパッケージングの受注が減少し、CoWoS-L(大規模AI向けパッケージング)の需要成長にも制限がかかることが懸念される。

 

長期的にはAI推論チップの需要が拡大し、TSMCの2nm・3nmプロセスが主導権を握る可能性

しかし、ブルームバーグのアナリストは長期的にはTSMCにとってプラスとなると指摘する。DeepSeekのような低コストAIモデルが広く普及することで、AI技術の採用が加速し、最終的にはTSMCによるAI推論チップの需要増加につながると予測される。

 

次世代のAI推論チップは、PC、スマートフォン、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)などの個人向けデバイスに広く展開されるとみられる。これらのデバイス向けチップには、厳格な電力効率基準と低遅延が求められるため、TSMCの2nmおよび3nmプロセスを用いた半導体製造が不可欠となる見込みである。

 

ウォール・ストリート・ジャーナル:「AIの普及拡大でTSMCは依然として有利な立場にある」

ウォール・ストリート・ジャーナルも、「AI技術がさらに普及しやすくなることで、TSMCは世界最大のファウンドリ(半導体受託製造企業)として依然として有利な立場にある」と報じた。電子機器および半導体需要の増加により、TSMCは今後も大きな恩恵を受けると予測されている。

 

花旗グループ:「AI投資のROI(投資対効果)が重要な鍵、博通・美光への影響も」

花旗グループのアナリスト、ダンナリー氏は、「AI業界は最終的に**投資に対する明確なリターン(ROI)**を示す必要がある。さもなければ、AI関連の支出が急速に鈍化する可能性がある」と警告した。この場合、Broadcom(博通)やMicron(美光)などの企業が影響を受ける可能性があると指摘している。

 

一方、AMDへの影響は比較的軽微であるとみられる。その理由は、AMDのMI300シリーズが、DeepSeekが採用するオープンAIシステムに適しているためであり、これがAMDにとってプラス要因となる可能性がある。

 

Rosenblatt証券:「新たな競争力のあるAIモデルの登場はネットワークエッジAI市場にとって朗報」

Rosenblatt証券は、「競争力のある大規模言語モデル(LLM)の出現は、ネットワークエッジAIプロセッサ市場にとって好材料である」との見解を示している。特に、**Ambarella(安霸)、CEVA(希瓦)、Qualcomm(高通)、Synaptics(新唐)**などの企業にとって追い風となる可能性があると分析している。

 

さらに、米国のハイパースケールクラウド企業(大規模データセンターを運営する企業)も、こうした新しいAIモデルを積極的に採用する動きを見せると予測される。そのため、「データセンター、GPU(グラフィックス処理ユニット)、光ファイバー、およびイーサネット分野への設備投資が縮小することはない」との見方を示している。

 

結論:短期的な調整局面を経て、AI市場全体は引き続き拡大へ

DeepSeekのAIモデルの台頭は、短期的にはAI半導体市場の需要バランスを一時的に変化させる可能性があるものの、長期的にはAI技術の広範な普及を促進する要因となる。特に、TSMCは次世代AI推論チップの生産で主導権を握るとみられ、半導体業界全体にとってプラスの影響が期待される。

 

また、NVIDIA、AMD、Qualcomm、Broadcomといった主要半導体企業の動向も、2025年のAI市場成長の鍵を握ることになりそうである。

 

最新記事

すべて表示
【企業】TSMC米国工場、昨年143億元の赤字を計上(4/21)

台積美國廠去年虧143億 設廠四年來最燒錢的一年(經濟日報、4/21)概訳 台積電TSMC (2330)は、6月3日に株主総会を開催する予定であり、最新の株主総会年報においては、同社の海外展開に関する昨年度の損益状況が明らかにされている。なかでも、...

 
 
 
関税影響顕在化――工業用コンピュータ業界で値上げの動き広がる 研華・樺漢は既に顧客と交渉中(4/20)

關稅效應!工業電腦廠醞釀漲價潮 研華、樺漢已與客戶洽談(経済日報、4/20)概訳 アメリカによる対等関税の衝撃に直面し、工業用コンピュータ(IPC)メーカー各社はサプライチェーンのコスト管理を強化するのみならず、価格引き上げによる対応を模索している。大手企業である...

 
 
 

Comentarios


bottom of page