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台湾のCovid19状況

【8月7日(3級から80日目)記】

7月27日、台湾は防疫3級から2級に緩和されました。5月末には700人を超える新規感染者が出ましたが、行動管理徹底で徐々に減少、現在は数十人以下まで抑え込み、感染経路も概ね把握できています(本日8月8日の定例発表の本土感染者は4名まで減少)。飲食店、ゴルフ場、プール等も制約付きながら再開しました。しかし、中央感染症指揮センターは制約事項を明確に定め、市民や店舗に守るよう繰り返し呼びかけています。違反者には罰金等罰則が定められています。ワクチン接種も進みはじめ、台北市では4割を超えました。デルタ株は水際検疫で見つかっていますが、市中に入るのは今のところ抑えています。侵入すれば感染速度が早いので、徹底水際対策とワクチン接種加速が勝負と思われます。


【7月18日(3級から60日目)記】

5月に鉄壁だった台湾でもコロナ感染拡大し、防疫3級が宣言され、約2カ月近く経ちました。5月には1日400人を超える感染者を出しましたが、政府と市民の協力の元、徹底行動規制を行い、昨日は10人以下まで減少しました。


世界で行動でコロナ制御成功しているのは、大陸中国と台湾だけではと思いますが、台湾の場合、市民

自らの意思で行っており、そこに凄さを感じます。リーダーも市民もコロナとの戦いを緊急事態と認識し、行動しています。この2カ月、街の餐廳(レストラン)はすべて閉めています。外帯(テイクアウト)のみで生活を支えています。外食が生活の中で普通にある台湾では大変な変化です。


テレビでは、毎日の政府広報で、普通の身近なお医者さんたちが次々と登場して、国民にマスクをつける事、手をよく洗う事、社交距離をしっかりとる事などを繰り返し繰り返し訴えつづけています。

多くの情報が開示されています。陳時中指揮官(日本でいう厚生大臣)は、防疫3級決定以来、約2カ月1日も休まず、毎日午後2時よりテレビ記者会見を行い、状況説明を記者や市民に行っています。多くの情報をネットですぐ調べる事ができます。Lineアプリを通じての広報、10秒でできるスマホを使っての移動や店舗入場情報登録、30秒でできるワクチン接種申請と返信連絡等等、ITを駆使し、事務の効率化、情報公開を進めています。


もちろん完全に世論が一致している訳ではなく、ワクチン調達遅れ等等で蔡政権も批判にさらされ、支持率も落ちています。ただそうした批判を許しながらも、大きな方向性は、台湾全体では維持されているように思えます。


【6月20日(3級から32日目)記】

台湾がコロナ警戒3級になってから 1 カ月が経ちました。イギリス型は感染力が強くなかなかしぶといものの、一時期 400 人を超えた新規感染者も、昨日は 128 人迄減少しました。28 日迄延長した 3 級の解除ができるか?地域別解除をするか?が周りの話題になっています。子供たちは警戒3級で夏休みまで登校停止となり、働きに出ていた母親の一部も、自宅で子供の面倒を見ています。


感染拡大前迄は、皆、あまり関心がなかったワクチンの重要性に注目が集まり、政争化もしています。6 月 4 日に日本からの AZ ワクチン124 万回分が届き、日本は大変感謝されました。20 日には米国から250 万回分のモデルナワクチンが届くと昨夜発表されました。19 日迄に台湾が入手したワクチンは約 235 万回分だそうで、計算すればこれで約 485 万回分になります(台湾の人口は約 2360 万人)。現在、医療関係者は概ね打ち終わり、高齢者の接種が行われています。


18 日午後には蔡英文総統と鴻海創業者の郭台銘氏、TSMC の劉徳音董事長がワクチンの件で面会しました。独ビオンテック社のワクチン計 1000 万回分を両氏が交渉し、政府に寄付する予定との事(5 月末、蔡総統は台湾が同社からワクチンを購入するのを中国が妨害していると名指しで非難した)。


【5月30日(3級から11日目)記】

コロナ感染拡大に立ち向かう台湾


毎日午後2時から始まる中央コロナ対策本部の記者会見を見ています。今日は本土感染 266 人、校正回帰(過去感染者数増)89人、十分減少している訳ではありませんが、警戒 3 級に伴う台湾人の行動の劇的変化による減少傾向は明瞭に示され始めてきたと考えます。


中華航空のパイロットの感染、パイロット宿泊ホテルの管理不備、そして、ウイルスは台北の萬華地区に移り、そこから感染が全土に広がりました。5 月 19 日国内感染者が 267 人になった日、台北市・新

北市に加え、台湾全土が警戒レべル 3 級に引き上げられました。自分が住んでいる新竹を見る限り、その日を境に、住民の行動は劇的に変わりました。夜、道を歩く人は殆どいなくなり、自主的なロックダウンに近い状況です。在宅勤務移行が増えた為か車も激減し、通勤時間も半減しました。


IT の活用も迅速です。政府は、23 日から数日でショートメイルを活用した「実聯制」システム開発し、一両日で新竹含む全土のコンビニやショッピングセンタ―などに導入されました。このシステムは店舗に入る場合、QR コードを読み取り、本人確認を行い、SMS が自動的に立ち上がり送信キーを押すだけで、その時間・場所が政府サーバーへ送られ、感染者との近接接触がないか確認します。一連の作業は 10 秒もいりません。毎晩、登録した「台灣社交距離」というアプリに、「あなたは今日は確診者との接触はありませんでした」との連絡が入ります。


25 日からは街のすべての食堂で食事は禁止、外帯(食べ物持ち帰り)のみ。室内 5 人超、室外 10 人超の集まりは禁止。マスクをしていないと罰金 3000 元(約 1.1 万円)以上。もちろん、テレビではこうした動きの中の一部トラブルも報道されますが、総じて、台湾人全体が一体感をもって、このコロナ感染拡大と戦いの状況を受けれ入れているように感じます。


「ものの見方が行動を決定する」事が明瞭に表れています。台湾の大半の人達も政府も、この状況を、完全に「危機(一種の戦争状態)と認識」し、危機として対処し、協力しています。


新聞で見る限りでしかわかりませんが、日本や多くの国で人々の行動にバラつきが多く出るのは、その状況認識が人により異なる為だろうと思います。またそれをとりまとめる覚悟とリーダーシップがないと、まとまりない行動が続くように見えます。危機と見るか、平時の異常と見るか、その判断は国民とリーダーに委ねられていますが、中途半端は混乱を生むように思います。


台湾の近時の感染拡大をもって、台湾の「鉄壁の防疫」が失われたとの論調もありますが、わたしには、全体として、台湾の人たちの、この危機に立ち向かう強い意識と行動を感じます。今回の敵は、イギリス型ウイルスで、従来型に比べ感染力が強い分手ごわいですが、現在進行中の行動変化で抑え込みに成功したら凄いと思うし、成果を上げてほしいと心から思います。


相手が手強い分、ワクチンの力も必要です。諸処の理由でワクチン接種遅れがありましたが、今後、急速なワクチン確保及び迅速な接種体制が組まれると期待しています。


台湾で暮らしていて思いますが、台湾人は「まずはやってみる」という性向が強いと感じます。また周りもそれを邪魔したり、抑えこむ事もありません。ある運動教室の先生が、警戒 3 級になった為、在宅でネットで教え始めました。初めの数回は素人設定の為、使えない見れれないものでしたが、数回目からは、誰かの支援もあったのかもしれませんが、見栄えも雰囲気もぐんと良くなりました。走りながら、人的ネットワークを発展させながら、改善していく。ビジネスも似た感じが強いですね。


IT 活用も走りながら改善していく、そのスピード感があります。


外では雨が降り始めました。慈雨です。水不足に伴う、来週からの計画断水は行われるかもしれませんが、暫く梅雨前線が新竹上空に留まる事を願います(その後、雨が続き計画断水は中止になった)。そして、今日5月 30 日が、コロナとの闘い、水不足に対する転換点になることを願います。


(Ohさん)

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